【この訴訟の意義・目的】
この訴訟は、航空自衛隊・新田原基地を離発着する自衛隊機によって日常生活において深刻な爆音被害を受けている基地周辺の住民が、国に対して、夜間飛行等の差止めと、爆音被害に対する損害賠償を求めるものです。
憲法9条や自衛隊の存在、安保法制についてどう考えるか、安全保障環境や安全保障政策をどう考えるか、あるいは、新田原基地の地元経済への影響などについてどう考えるかについては、様々な立場や考え方があります。しかしどのような立場や考え方であれ、基地周辺の住民の生活の平穏を脅かすような爆音被害を放置してよいはずはありません。
特に2025年8月以降配備が始まった最新鋭ステルス戦闘機F35Bは、その特徴でもある垂直着陸の際、通常の5倍の時間がかかり、騒音値もこれまでより大きい130デシベルが推定されています。このF35Bが、数年かけて最終的に40機以上新田原基地に配備される予定となっており、爆音被害がより拡大・深刻化していくことが強く懸念されます。しかも当初「緊急の場合以外は行わない」と説明されていた垂直着陸訓練について、国は、2025年4月になって突然、夜間も、馬毛島(鹿児島県)の施設が完成した後も実施すると説明を一転させました。爆音被害を根絶し平穏な生活を取り戻すために訴訟を提起する必要性は、より高まっているといえます。
いろいろな立場や考え方の違いを超えて、私たちは、新田原基地の爆音被害を根絶するという一点を目標にして、その訴訟の意義・目的に賛同する皆様と共に、その実現を目指して裁判に取り組んでいきます。
【原告になれる人】
Q1 今回の訴訟で原告になれるのは、どんな人ですか?
➡ 今回の訴訟では、現在の第一種区域(W値75以上)のコンター線内に居住する住民の方々を対象とします。第1次訴訟で原告となった方も、今回初めて訴訟に参加しようとお考えの方も、コンター線内に居住する方であれば原告になれます。
未成年の方でもかまいませんが、事前にご相談下さい。外国籍の方については、原告になれるか否か検討いたしますので事前にご相談下さい。
数年前にコンター内に引っ越してきた方や、既に騒音対策費の補助を受けている方でも、公務員の方、自衛隊員のご家族でも、原告になれます。基地の存在に賛成の人も、もちろん、かまいません。
Q2 私は、住んでいるのはコンターの外ですが、コンター内の職場で働いています。原告になれますか?
➡ 今回の裁判では、原告にはなれません。自衛隊機の爆音により居住場所における私生活上の静穏が脅かされている方々を対象とします。
Q3 1年程前までコンター内に住んでいたのですが、その後コンター外に転出しました。原告になれますか?
➡ 可能です。但し、しおりQ7で述べるような消滅時効との関係で、賠償請求できるのは、提訴3年前(第1次訴訟原告は2024年2月29日以降。Q8参照。)から転出時点までの期間の爆音被害に限定されます。提訴費用や訴訟活動費用の負担を考えると、提訴しても、費用や労力に見合う賠償を得ることが難しいかもしれません。
なお、差止訴訟については、コンター内に現に居住する方のみが原告となるため、コンター外に転出した方は原告となることはできません。
Q4 死亡した父親の遺族として提訴したいのですが、可能でしょうか?
➡ 可能です。但し、しおりQ7で述べるような消滅時効の関係で、賠償請求できるのは、提訴3年前からお父様の死亡時点までの期間の爆音被害に限定されます。また、相続人が複数いらっしゃる場合には、誰がお父様の賠償請求権を相続し行使できるのか、確定する手続きも必要です。提訴費用や訴訟活動費用の負担を考えると、提訴しても、費用や労力に見合う賠償を得ることが難しいかもしれません。
なお、差止訴訟については、あくまでも現にコンター内に居住する方のみが原告となるため、既に死亡した方の相続人の立場では、差止訴訟の原告となることはできません。また、提訴後に原告の方が亡くなられた場合、相続人の方が訴訟を引き継ぐことが可能ですが、その場合でも、引き継げるのは損害賠償請求訴訟のみであって、差止訴訟について引き継ぐことはできません。
Q5 未成年者が原告となる場合の注意点はありますか?
➡ 未成年の方も原告になることができます。その場合、未成年の方の訴訟委任状(2種類)や委任契約書などには、親権者の署名押印が必要不可欠です。具体的な書面の書き方は、個別に弁護団にご相談下さい。
【訴訟で要求すること】
Q6 差止請求とは何ですか、なぜ必要なのですか?
➡ 今回の訴訟の最大の目的は、新田原基地の爆音被害をなくし、基地周辺に住む住民の平穏な生活を取り戻すという点にあります。そして、爆音被害の発生源となっているのは、自衛隊機の離発着などですから、爆音被害をなくすという目的を達成するためには、自衛隊機の離発着などの制限を実現することが重要です。
ただ、自衛隊機の飛行の差止めと言っても、全ての飛行禁止を求めるのではなく、第1次訴訟では、夜間の訓練飛行の禁止、昼間の75W以上の騒音を発生させる運航の禁止を求めました。
いずれにせよ、賠償請求は、爆音被害の金銭賠償を求めるもので、これも重要な目的ですが、これだけでは、爆音被害をなくすという目的を達成するには不十分です。私たちは、賠償請求と差止請求の両方を要求します。
Q7 賠償請求の内容は?
➡ 賠償請求は、過去3年分と将来分を、月額3万8500円の損害として請求していく予定です。この金額は、これまでの基地爆音訴訟で認められた最大の額(第3次嘉手納基地訴訟第一審)である月額3万5000円に、これに弁護士費用の一部を加えたものです。この賠償請求権は、時効により3年で消滅します。すなわち、提訴前3年以内の被害より過去の被害については時効にかかります。
なお、第1次訴訟では、一人1か月あたりの損害賠償額として、75Wの地域で4000円、80Wの地域で8000円、85Wの地域で12000円、90Wの地域で16000円、95Wの地域で20000円が、それぞれ認められました。しかし、認められる金額は、個々の訴訟毎の事情や具体的な主張立証に左右されるため、これから提起する第2次訴訟でも必ずこれと同額が認められるとは限りません。
Q8 私は第1次訴訟でも原告でしたが、賠償請求の内容に違いは出てきますか?
➡ 第1次訴訟で原告となった方々については、第1次訴訟の事実審口頭弁論終結時点である2024年2月28日までの騒音損害については、既に賠償がなされていることになります。そこで、第1次訴訟で原告となった方々が第2次訴訟を提訴する場合、その翌日である2024年2月29日以降の損害について、請求していくこととなります。
【訴訟に加わる手続・その他】
Q9 原告になるのに準備する書類・費用を教えて下さい。
➡ 必要書類として、①ご本人の住民票(本籍地やマイナンバーの記載の無いもの)、②訴訟委任状(2種類)、③委任契約書、④原告団加入承諾書、⑤陳述書(完成は後日で大丈夫です)、を準備していただきます。
費用として、一人あたり3万円が必要です。印紙代や切手代など訴訟を提起するための費用(実費)がなければ訴訟を開始することができないので、弁護団へ、前もって一括して支払っていただきます(振込先口座:宮崎銀行県庁支店 普通 120105 口座名義 新田原基地爆音訴訟弁護団事務局長弁護士西田隆二)。
Q10 原告団加入後の費用はどうなりますか?
➡ 弁護団に支払う3万円とは別に、原告団へ、活動費用(医師、研究者など専門家への相談費用、全国の弁護団・原告団との会議・研修費用、コピー代等)として、訴訟が終了するまで毎月250円(1年一括で3000円)程度のお支払いをお願いすることになります。
なお、支払方法、支払時期等については、別途原告団からご連絡いたします。
Q11 控訴や上告をした場合、追加費用はありますか?
➡ 主張や立証を尽くしたのに、第一審の判決で請求が認められない不当判決となった場合に、不服申立をするには裁判所に納める印紙代等の実費が必要になります。判決の内容次第で、どのような不服申立になるのか、いくらの印紙代等が必要になるのか、現段階では正確な金額がまだ分かりません。なお、これら実費以外に、賠償金が支払われるまで弁護士費用をいただくことはありません。
Q12 弁護団への報酬は、どうなりますか?
➡ 今回の訴訟では、弁護団の報酬については、通常裁判を始める時に必要な「着手金」はいただきませんが、後に勝訴等して国から金銭が支払われた場合には、その金額の15%(税別)を「報酬」としていただく予定です。
なお、差止請求や将来請求が認められた場合には、上記以外に別途報酬について協議させていただきます。
Q13 訴訟には、どれくらいの年数がかかりますか?
➡ これまでに行われてきた他県の基地爆音訴訟では、10年以上もの長期間を必要としたケースもあり、簡単にはお答えできませんが、私たちとしては、3年程度で第一審判決を得ることを目標にしたいと考えています。なお、第1次訴訟では、控訴審の判決を得るまでの期間は約7年でしたが、第一審判決までの期間は3年6か月でした。
Q14 原告にはなれませんが、裁判の応援はしたいと思います。できることはありますか?
➡ この裁判を闘い続けるためには、経済的な支援が必要ですので、カンパへのご協力をご検討いただけると助かります。その他、原告参加の呼びかけや、裁判期日の際の裁判傍聴、原告団・弁護団が開催する集会への参加などのご支援も考えられます。できる範囲で、何らかのご支援をいただけるという場合には、メール(info@n-bakuon.jp)でご一報ください。


